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裁判例からみる相続税法(四訂版)
¥2,805通常価格:¥3300
- 出版社
- 大蔵財務協会
- 判型
- A5判 / 576ページ
- ISBNコード
- 978-4-7547-2850-2
- 発刊日
- 2021/1/28
裁判例からみる相続税法(四訂版)
通常価格:¥3300
- 著者
- 池本 征男 / 酒井 克彦 共著
概要
相続税・贈与税の基本的な仕組みを正しく理解できるよう、相続税法の理論と計算を基礎から体系的にわかりやすく解説。解説にあたっては、税法解釈の指針となり、税務実務上の適用の指針ともなる重要な裁判例を数多く収録し、それらの判決に示された当事者の主張や裁判所の判断を通じて相続税法をより深く正しく理解できるよう編集・解説。
主要目次
第1章 相続・贈与の基礎知識
1 相続税法を学ぶに当たって
2 民法(相続法)の改正
3 相続の開始と相続人
(1) 相続の開始
(2) 相続人
(3) 相続権を失う場合
(4) 相続の承認と放棄
(5) 相続人の不存在
4 相続分
(1) 法定相続分
(2) 代襲相続分
(3) 指定相続分
(4) 特別受益者の相続分
(5) 寄与分
(6) 特別の寄与
5 遺贈と遺留分
(1) 遺贈
(2) 遺言の方式
(3) 遺留分
(4) 遺留分に関する民法の特例(経営承継円滑化法)
6 遺産の分割
(1) 分割の手続
(2) 分割の方法
(3) 遺産分割の遡及効
(4) 遺産分割前における預貯金の払戻し
7 贈与
第2章 相続税と贈与税の納税義務
1 相続税法の基本的な仕組み
2 我が国における相続課税等の沿革
(1) 相続税の創設
(2) シャウプ税制
(3) 法定相続分課税方式の採用
(4) 相続時精算課税制度の導入
3 相続税及び贈与税の納税義務の成立と確定
4 相続税及び贈与税の納税義務者と課税財産の範囲
5 財産の所在
第3章 相続税の課税の対象
1 本来の相続財産
2 みなし相続財産
(1) 生命保険金等
(2) 退職手当金、功労金など
(3) 生命保険契約に関する権利
(4) 定期金に関する権利......給付事由が発生していないもの
(5) 保証期間付定期金に関する権利......給付事由が発生しているもの
(6) 契約に基づかない定期金に関する権利
(7) その他
3 相続財産法人から分与を受けた財産
4 特別寄与者が特別寄与料を受けた場合
5 相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産
6 相続時精算課税の適用を受けた財産
7 贈与税の納税猶予を受けていた農地等、事業用資産又は非上場株式等
8 教育資金の非課税特例を受けていた場合における管理残額
9 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例を受けていた場合における管理残額
10 相続税の非課税財産
(1) 財産の性質、国家的見地又は国民感情から非課税とするもの
(2) 公益性の立場から非課税とするもの
(3) 社会政策的な見地から非課税とするもの
第4章 贈与税の課税の対象
1 本来の贈与財産
2 贈与による財産の取得時期
3 みなし贈与財産
(1) 生命保険金等
(2) 定期金
(3) 低額譲受け
(4) 債務免除等
(5) その他の利益の享受
(6) 信託に関する権利
4 贈与税の非課税財産
(1) 法人から贈与を受けた財産
(2) 扶養義務者から生活費や教育費として贈与を受けた財産
(3) 公益事業用財産
(4) 特定公益信託から交付される金品
(5) 心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
(6) 公職選挙の候補者が贈与を受けた財産
(7) 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
(8) 社交上必要と認められる香典等
(9) 相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産
(10) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
(11) 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
(12) 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
(13) 災害により被害を受けた財産
第5章 相続税の課税価格の計算
1 相続税の課税価格
2 相続税の課税価格の計算
(1) 遺産の取得が分割等により確定している場合(分割協議等が成立しているなど)
(2) 遺産が未分割の場合
3 小規模宅地等の課税価格の計算の特例
(1) 適用対象者
(2) 小規模宅地等
(3) 限度面積(措法69の4?)
(4) 課税価格に算入する価額(措法69の4?)
(5) 特定事業用宅地等(措法69の4?一、措令40の2???)
(6) 特定同族会社事業用宅地等(措法69の4?三、措令40の2???)
(7) 日本郵便株式会社に貸し付けられている郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等
(8) 特定居住用宅地等(措法69の4?二、措令40の2???)
(9) 貸付事業用宅地等(措法69の4?、措令40の2???)
(10) 適用要件
4 特定計画山林の課税価格の計算特例
(1) 特定森林経営計画対象山林の適用対象者(措法69の5??)
(2) 特定受贈森林経営計画対象山林の適用対象者(措法69の5??)
(3) 適用要件
5 特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算特例等
(1) 概要
(2) 相続税の課税価格に算入すべき価額(措令40の2の3?)
6 債務控除
第6章 相続税額の計算
1 相続税の総額の計算方法
2 遺産に係る基礎控除
3 相続税の総額の計算
4 各相続人等の相続税額の計算
(1) 相続税額の2割加算
(2) 贈与税額控除
(3) 配偶者の税額軽減
(4) 未成年者控除
(5) 障害者控除
(6) 相次相続控除
(7) 外国税額控除
(8) 相続時精算課税適用者に係る贈与税額控除
(9) 医療法人の持分についての相続税の税額控除の特例
第7章 相続時精算課税
1 相続時精算課税の概要
(1) 相続時精算課税の目的
(2) 相続時精算課税の内容
(3) 適用対象者
(4) 適用対象となる財産等
(5) 適用手続
2 相続時精算課税を適用した場合の特例
(1) 課税価格
(2) 特別控除額
(3) 税率
3 相続時精算課税における相続税の納税に係る権利又は義務の承継等
(1) 相続時精算課税適用者が特定贈与者よりも先に死亡した場合
(2) 贈与により財産を取得した者が「相続時精算課税選択届出書」の提出前に死亡した場合
4 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例
(1) 制度の目的
(2) 制度の内容
(3) 特例の適用要件
5 直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の非課税規定との併用
第8章 贈与税の課税価格と税額の計算
1 贈与税の課税価格の計算
(1) 贈与税の課税価格
(2) 相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産
(3) 贈与税の税額の計算
2 贈与税の基礎控除
3 贈与税の配偶者控除
(1) 贈与税の配偶者控除の趣旨
(2) 贈与税の配偶者控除の適用要件
(3) 店舗兼住宅等の贈与に係る配偶者控除の計算
(4) 適用手続
(5) 民法改正と配偶者控除
4 贈与税の税率と税額の算出方法
5 外国税額控除
6 特定土地等及び特定株式等に係る贈与税の課税価格の計算の特例等
第9章 申告と税金の納付
1 相続税の申告等
(1) 申告書の提出
(2) 申告書の記載事項及び添付書類
(3) 相続税の期限後申告の特則
(4) 相続税の修正申告の特則
(5) 更正の請求の特則
(6) 更正及び決定の特則
(7) 特定非常災害の指定を受けた災害の発生に伴う申告期限の延長等の特例
2 贈与税の申告等
(1) 申告書の提出
(2) 申告書の記載事項及び添付書類
(3) 贈与税の期限後申告及び修正申告の特則
(4) 贈与税の更正の請求の特則
(5) 贈与税の更正・決定等の期間制限の特則
3 相続税と贈与税の納付
(1) 相続税又は贈与税の納付時期
(2) 連帯納付義務
4 延納
(1) 延納の許可の要件
(2) 延納の手続
(3) 延納の許可又は却下の処分
(4) 延納税額に対する利子税
(5) 延納期間及び延納利子税
(6) 連帯納付義務者が連帯納付義務を履行する場合の延滞税を利子税に代える措置
5 物納
6 納税の猶予(事業承継税制を除く。)
7 贈与税の申告内容の開示
(1) 開示請求者
(2) 開示の内容
8 相続税及び贈与税の調査
(1) 相続開始の通知
(2) 保険金、退職手当金などの支払調書の提出
(3) 職員の質問検査権
(4) 官公署等への協力要請
9 相続税及び贈与税に関する罰則
(1) 脱税犯
(2) 無申告犯
(3) 秩序犯
(4) 両罰規定
(5) 秘密漏えい犯
10 租税回避等の防止規定
(1) 同族会社の行為計算の否認規定等
(2) 特別の法人から受ける利益に対する課税
(3) 人格のない社団又は財団等に対する課税
(4) 国外財産調書
第10章 相続税・贈与税の納税猶予の特例(事業承継税制)
1 農地等の相続税・贈与税の納税猶予の特例(農業承継税制)
2 農地等を相続した場合の相続税の納税猶予の特例
(1) 趣旨
(2) 特例の概要
(3) 適用手続
(4) 納税猶予期間中の手続
(5) 納税猶予税額の全部の納期限の確定
(6) 納税猶予税額の一部の納期限の確定
(7) 営農困難時貸付けの特例
(8) 納税猶予を適用している場合の特定貸付けの特例
(9) 納税猶予を適用している場合の都市農地の貸付けの特例
3 農地等を贈与した場合の贈与税の納税猶予の特例
(1) 趣旨
(2) 特例の概要
4 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予等(法人版事業承継税制)
(1) 趣旨
(2) 制度の概要
(3) 特例承継計画の策定と提出
(4) 贈与
(5) 会社、後継者、先代経営者の要件
(6) 非上場株式等の取得株数要件
(7) 申告等要件
(8) 納税猶予分の税額計算
(9) 税務署長及び都道府県知事への報告
(10) 猶予期限の確定
(11) 猶予税額の免除
(12) 担保の提供
5 個人事業者の事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予及び免除の特例(個人版事業承継税制)
(1) 趣旨
(2) 制度の概要
(3) 特定事業用資産
(4) 個人事業承継計画の策定・提出・確認
6 個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除
(1) 制度の概要
(2) 贈与者(先代事業者等)の要件(措法70の6の8?、措令40の7の8?)
(3) 特例事業受贈者(後継者)の要件(措法70の6の8?)
(4) 適用手続
(5) 納税猶予分の贈与税額の計算(措法70の6の8?、措令40の7の8???)
(6) 猶予税額の納付─猶予期限の確定(措法70の6の8??)
(7) 猶予税額の免除(措法70の6の8????)
7 個人の事業用資産の贈与者が死亡した場合の相続税の課税の特例
(1) 趣旨
(2) 制度の概要
8 個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除
(1) 制度の概要
(2) 被相続人の要件(措法70の6の10?、措令40?の7の10?)
(3) 後継者である相続人等の要件(措法70の6の10?)
(4) 適用手続
(5) 納税猶予分の贈与税額の計算(措法70の6の10?、措令40の7の10???)
(6) 猶予税額の納付─猶予期限の確定(措法70の6の???)
(7) 猶予税額の免除(措法70の6の10????)
(8) 小規模宅地等の課税特例との適用関係
9 山林についての相続税の納税猶予等及び免除
(1) 特例の概要
(2) 適用対象となる被相続人及び林業経営相続人
(3) 適用手続
(4) 納税の猶予期限の到来
(5) 猶予税額の免除
10 医療法人の持分に係る相続税・贈与税の納税猶予及び免除
(1) 相続税の納税猶予及び税額控除
(2) 贈与税の納税猶予及び税額控除
(3) 贈与税の課税の特例
11 特定の美術品に係る相続税の納税猶予
第11章 財産の評価
1 評価の原則
(1) 概観
(2) 時価主義の意義
(3) 課税時期
(4) 時価の意義
2 法定評価
(1) 規定の概観
(2) 地上権、永小作権
(3) 配偶者居住権等
(4) 定期金に関する権利
(5) 立木の評価についての特例
3 時価評価の取扱い
(1) 財産評価基本通達と財産評価
(2) 財産評価の原則
(3) 主な評価方法
4 土地及び土地の上に存する権利
(1) 宅地の評価
(2) 農地等の評価
(3) 宅地の上に存する権利の評価
5 家屋及び家屋の上に存する権利
(1) 家屋の評価
(2) 貸家の評価
(3) 建築中の家屋
6 株式及び株式に関する権利など
(1) 上場株式
(2) 気配相場等のある株式
(3) 取引相場のない株式
(4) 出資の評価
(5) 株式に関する権利
(6) 公社債及び証券投資信託の受益権
(7) ゴルフ会員権の評価(評基通211)
○ 巻末付表
○ 令和3年度税制改正の大綱(資産税関係部分抜すい)
○ 用語索引
○ 裁判例・裁決例索引
【裁判例・裁決例目次】
第2章 相続税と贈与税の納税義務
・財産の贈与を受けた者の住所が国内にあるかどうかが争われた事例(武富士事件)
(最高裁(二小)・平成23年2月18日・集民236号71頁)
・贈与財産を海外送金した場合の財産の所在地は国内か国外かが争われた事例
(東京高裁・平成14年9月18日・判時1811号58頁)
第3章 相続税の課税の対象
・被相続人名義の預金口座から相続開始前に引き出された金員は、相続財産に当たるかどうかが争われた事例
(東京高裁・平成30年7月11日・税資268号順号13168)
・被相続人が生前に所得税の更正処分取消訴訟を提起し、相続開始後に更正処分が取り消されたため、訴訟承継人である相続人が受領することとなった所得税額等の還付金は、相続財産を構成するかどうかが争われた事例
(最高裁(二小)・平成22年10月15日・民集64巻7号1764頁)
・介護型老人ホームの入居者死亡に伴う入居一時金の返還金は相続財産に当たるとされた事例
(東京高裁・平成28年1月13日・税資266号順号12781)
・被相続人が生前において推定相続人の債務を返済したことは、生前贈与によるのか立替であるかが争われた事例
(静岡地裁・平成17年3月30日・税資255号順号9982)
・自動車総合保険契約に基づいて受領した死亡保険金は、一時所得かみなし相続財産かが争われた事例
(国税不服審判所・平成11年12月6日・裁決事例集58号79頁)
・相続財産とみなされる退職手当金等は、死亡退職に基づくものに限られるかどうかが争われた事例
(最高裁(三小)・昭和47年12月26日・民集26巻10号2013頁)
・庭内神しの敷地部分は、相続税法12条1項2号の「墓所、霊びょう又は祭具並びにこれらに準ずるもの」に当たるとされた事例
(東京地裁・平成24年6月21日・判時2231号20頁)
・相続財産の寄附を受けた公益法人が当該財産につき公益を目的とする事業の用に供しているかどうかが争われた事案
(大阪高裁・平成13年11月1日・判タ1098号148頁)
第4章 贈与税の課税の対象
・被相続人と内縁関係にある者が相続人から受け取った金員は、贈与により取得した財産に該当するかどうかが争われた事例
(大阪地裁・昭和52年7月26日・行集28巻6=7号745頁)
・自家用車の購入に際して息子名義で登録したことは購入資金の贈与に該当するかどうかが争われた事例
(国税不服審判所・平成27年9月1日・裁決事例集100号)
・主張立証責任の分配の観点から金地金の贈与の時期が判定された事例
(京都地裁・平成27年10月30日・税資265号順号12750)
・有価証券の取得は低額譲受けに該当するとして贈与税の決定処分がされた後に、当該契約の錯誤無効を理由に処分の取消しを求めることができるか否かが争われた事例
(高松高裁・平成18年2月23日・訟月52巻12号3672頁)
・土地建物を贈与する旨の公正証書は、真実贈与の意思で作成されたものではなく、所有権移転登記の時期に贈与があったとされた事例
(名古屋高裁・平成10年12月25日・訟月46巻6号3041頁)
・「著しく低い価額」とは、時価の2分の1未満の価額をいうのか否かが争われた事例
(横浜地裁・昭和57年7月28日・訟月29巻2号321頁)
・相続税評価額を対価とする親族間の土地の譲渡は、低額譲渡に当たるかどうかが争われた事例
(東京地裁・平成19年8月23日・判タ1264号184頁)
・同族会社の代表者が従業員から株式を額面価額で買い取った場合、時価と買取価額の差額が低額譲受けに当たるかどうかが争われた事例
(仙台地裁・平成3年11月12日・判時1443号46頁)
・社団医療法人の増資に係る出資の引受けは著しく低い価額の対価で利益を受けたことに当たるとされた事例
(最高裁(二小)・平成22年7月16日・集民234号263頁)
・同族会社に対して時価より著しく低い価額で財産が譲渡され、その譲渡を受けた会社の資産価額が増加した場合には、その会社の株主又は社員は、「対価を支払わないで又は著しく低い価額の対価で利益を受けた」といえるとされた事例
(東京地裁・平成26年10月29日・訟月63巻12号2457頁)
(東京高裁・平成27年4月22日・訟月63巻12号2435頁)
・米国ニュージャージー州法に準拠して孫を受益者とする信託の設定行為は相続税法4条1項にいう「信託行為」に当たるかどうかが争われた事例
(名古屋高裁・平成25年4月3日・訟月60巻3号618頁)
第5章 相続税の課税価格の計算
・相続財産の主要部分を占める株式が暴落によってほとんど無価値となったため、相続人が自己の固有財産を処分して相続税を納付しなければならない事態に追い込まれたとしても、暴落前の株式評価額に基づく課税額をそのまま維持して徴収金を保持したことが適法であり、これにより公法上の不当利得が成立するものと解することはできないとされた事例
(大阪高裁・昭和62年9月29日・行集38巻8=9号1038頁)
・土地の売買契約成立後代金完済前に売主が死亡し、特約によって代金完済時に土地の所有権が買主に移るとされていた場合の相続財産は、土地の評価額によらず売買代金請求権であるとされた事例
(最高裁(二小)・昭和61年12月5日・訟月33巻8号2149頁)
・代償分割により取得した代償金について相続税の課税価格に算入すべき金額が争われた事例
(国税不服審判所・平成3年4月30日・裁決事例集41号302頁)
・有料老人ホームに入居したことにより居住の用に供されなくなった家屋の敷地は小規模宅地等の課税価格の計算特例が適用されないとされた事例
(東京地裁・平成23年8月26日・税資261号順号11736)
・土地区画整理事業等の施行による仮換地指定に伴い、被相続人等の居住用に供されていた土地及び仮換地が相続開始の直前に更地である場合には、小規模宅地等の課税価格の計算特例の適用を受けることができるかどうかが争われた事例
(最高裁(三小)・平成19年1月23日・集民223号53頁)
・小規模宅地等の課税価格の計算特例を適用して相続税の申告書を提出した後に、適用対象地を差し替えることができるかどうかが争われた事例
(東京高裁・平成15年3月25日・訟月50巻7号2168頁)
・保証債務は債務控除の対象となるかどうかが争われた事例
(東京地裁・平成15年4月25日・訟月51巻7号1857頁)
(東京高裁・平成16年3月16日・訟月51巻7号1819頁)
第6章 相続税額の計算
・「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」の提出期限が争われた事例
(東京地裁・平成13年8月24日・税資251号順号8961)
第7章 相続時精算課税
・相続時精算課税方式が否定され、暦年課税方式によって税額を計算すべきとされた事例
(神戸地裁・平成25年11月13日・税資263号順号12332)
(大阪高裁・平成26年4月25日・税資264号順号12465)
第8章 贈与税の課税価格と税額の計算
・贈与税の基礎控除額が贈与額とは無関係に一律の定額であることなどが不合理な差別となるとの主張が排斥された事例
(大阪地裁・平成12年2月23日・税資246号908頁)
・相続税法基本通達21の6-3のただし書の趣旨
(東京地裁・平成4年10月28日・判時1449号82頁)
・居住の用に供していない土地家屋に係る贈与税の配偶者控除の適用が否認された事例
(国税不服審判所・平成8年4月15日・裁決事例集51号12頁)
・居住用不動産該当性が否定された事例
(静岡地裁・平成19年7月12日・税資257号順号10752)
(東京高裁・平成20年2月21日・税資258号順号10899)
・贈与税の累進課税は憲法14条及び29条に反するものではないとされた事例
(大阪地裁・平成12年2月29日・税資246号1103頁)
第9章 申告と税金の納付
・相続税法27条?相続税の申告書?にいう「相続の開始があったことを知った日」の意義
(東京地裁・昭和47年4月4日・税資65号691頁)
・相続財産の全容が判明しない場合における相続税の申告方法
(大阪高裁・平成5年11月19日・行集44巻11=12号1000頁)
・当初の遺産分割による申告に錯誤があったとして改めて遺産分割をした場合に、そのことを理由に更正の請求をすることができるかどうかが争われた事例
(東京地裁・平成21年2月27日・判タ1355号123頁)
・遺産分割成立後の更正の請求は、遺産分割成立前の申告に係る課税処分取消判決で認定された課税価格に基づいて相続税額が過大になるかを判定すべきであるとされた事例
(東京地裁・平成30年1月24日・税資268号順号13116)
(東京高裁・令和元年12月4日・判例集未登載)
・被相続人の死亡後に認知の裁判が確定して相続人に異動が生じた場合に、被認知者に対する相続税の課税がその除斥期間経過後にされたものとして取り消された事例
(東京高裁・平成14年11月27日・税資252号順号9236)
・相続人が無能力者である場合の相続税の申告期限と更正決定との関係
(最高裁(二小)・平成18年7月14日・集民220号855頁)
・相続税法34条1項の連帯納付義務には補充性がないとされた事例
(名古屋高裁金沢支部・平成17年9月21日・訟月52巻8号2537頁)
・被相続人と同族会社との間の地上権設定契約は、相続税法64条1項を適用して否認することができるとされた事例
(大阪地裁・平成12年5月12日・訟月47巻10号3106頁)
・同族会社の株主である予定相続人が生前に同社に行った債務免除に同族会社等の行為計算の否認規定が適用されないとされた事例
(浦和地裁・昭和56年2月25日・行集32巻2号280頁)
・法人の設立時期、被相続人の年齢、地上権の存続期間等の事実を総合勘案すると、本件地上権設定契約は、経済的・実質的にみて、明らかに不自然・不合理なものであるとして、相続税法64条の適用が認められた事例
(大阪地裁・平成15年7月30日・税資253号順号9402)
(大阪高裁・平成16年7月28日・税資254号順号9708)
・相続税法64条1項の適用は、経済的、実質的見地において、当該行為又は計算が純粋経済人の行為として不自然、不合理なものと認められるか否かを基準として判断すべきであるとされた事例
(大阪地裁・平成18年10月25日・税資256号順号10552)
(大阪高裁・平成19年4月17日・税資257号順号10691)
第11章 財産の評価
・相続税法22条にいう「時価」とは、不特定多数の当事者間で通常成立すると認められる価額をいうとされた事例
(東京地裁・平成7年7月20日・行集46巻6号701頁)
・贈与当時における目的土地の時価を課税価格として贈与税の賦課決定がされた後に、贈与前から当該土地に設定されていた根抵当権が実行されて、受贈者は売得金の一部の還付だけしか受けられないことになったとしても、そのことによりいったん有効に成立した右課税処分が後発的に無効となるものではないとした事例
(名古屋高裁・昭和55年10月29日・訟月27巻4号654頁)
・通達は法規としての性格を有するものではないから、課税処分が評価通達の趣旨に反するとしても、その効力は左右されないとした事例
(最高裁(三小)・昭和49年6月28日・税資75号1123頁)
・通達による画一的な事務処理が確立している場合に、特段の合理的な理由がなく、特定の者に対してのみこれに拠らずに、不利益な処分をすることは平等原則に違反するものとして適切でないとした事例
(名古屋高裁・平成4年2月27日・税資188号455頁)
・評価通達によらないことに合理性があるとした事例
(東京地裁・平成4年3月11日・判時1416号73頁)
・節税目的で取得した不動産の相続税評価について財産評価基本通達6項を適用した事例
(東京地裁・令和元年8月27日・金判1653号40頁)
・相続土地の価額について不動産鑑定士の鑑定評価額によるべきものとされた事例
(東京高裁・平成13年12月6日・訟月49巻11号3234頁)
・財産評価基本通達における路線価が地価の実態をかなり正確に反映していることは公知の事実であり、その評価方法も合理的であるとされた事例
(京都地裁・昭和53年4月28日・税資101号292頁)
・広大地についての評価通達の改正は、実際の取引価額と相続税評価額との乖離を解消するとともに、適用要件の明確化を図ることを目的としたものであるとした事例
(東京地裁・平成30年9月27日・税資268号順号13196)
・私道の用に供されている宅地の財産の評価における減額の要否及び程度は、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるとした事例
(最高裁(三小)・平成29年2月28日・民集71巻2号296頁)
・貸家建付地や貸家評価において借家権相当額等を控除することの意義
(横浜地裁・平成7年7月19日・税資213号134頁)
・相続税の課税時期において空室が生じている場合の貸家建付地の価額
(大阪地裁・平成28年10月26日・税資266号順号12923)
(大阪高裁・平成29年5月11日・税資267号順号13019)
・相続開始時に建物が存在していない場合の「貸家建付地」該当性
(大阪地裁・平成18年9月13日・税資256号順号10499)
・大字を単位として評価倍率を定めることについて合理性を肯定した事例
(千葉地裁・平成7年4月24日・税資209号155頁)
・農地を買い受ける契約をして手付金を支払った被相続人が知事の許可を得る前に死亡した場合、相続財産を構成するのはその農地ではなく、売買契約に基づく債権としての所有権移転請求権・所有権移転登記請求権等の総体であり、その評価は契約金額によるべきであるとした事例
(最高裁(二小)・昭和61年12月5日・判時1225号56頁)
・夫がその所有する営業用土地及び建物を妻に贈与し、贈与後それらを無償かつ期限の定めなく借り受けて、従前の営業の用に供している場合には、妻に対する贈与税の課税価格の計算のための土地及び建物の評価に当たって夫の使用借権の価額はゼロとして評価するのが相当であるとされた事例
(神戸地裁・昭和53年12月13日・訟月25巻4号1148頁)
・相続開始直前に改造工事がされていた建物の評価
(東京地裁・昭和53年12月21日・税資103号851頁)
・評価通達に従って算定された中古マンションの課税価格は、客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないと推認された事例
(東京高裁・平成27年12月17日・判時2282号22頁)
・相続による取得財産中の株式の評価を財産評価基本通達によるのは不当である旨の主張が斥けられた事例
(大阪高裁・昭和62年9月29日・行集38巻8=9号1038頁)
・非上場株式相続に係る評価方法の妥当性(株式保有特定会社該当性)が争われた事例
(東京高裁・平成25年2月28日・税資263号順号12157)
・財産評価基本通達の定める評価方式以外の評価方式によるべき特段の事情があるとされた事例
(東京地裁・平成26年10月29日・訟月63巻12号2457頁)
(東京高裁・平成27年4月22日・訟月63巻12号2435頁)
・「同族株主以外の株主等が取得した株式」に該当するとされた事例
(東京地裁・平成29年8月30日・税資267号順号13046)
・いわゆるA社B社方式による節税スキームに則り著しく低い価額で現物出資された会社の出資を純資産価額方式により評価する場合には、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しないで評価することが許されるとされた事例
(東京高裁・平成13年3月15日・判時1752号19頁)
・同族株主以外の株主の保有する株式につき、純資産価額による買取りが保障されている場合には、右買取価額をもって評価すべきものとされた事例
(東京地裁・平成11年3月25日・訟月47巻5号1163頁)
・財産評価基本通達が、取引相場のない同族株主のいる大会社の株式について、いわゆる零細株主が取得した株式の評価を特例として簡便な配当還元方式によることとしたのは、1つの株式につき2つの時価を定めた趣旨ではないとされた事例
(大阪高裁・昭和62年6月16日・訟月34巻1号160頁)