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最近の税務争訟 17
¥4,956通常価格:¥5830
- 出版社
- 大蔵財務協会
- 判型
- A5判 / 1100ページ
- ISBNコード
- 978-4-7547-2890-8
- 発刊日
- 2021/4/23
最近の税務争訟 17
通常価格:¥5830
- 著者
- 佐藤 孝一 著
概要
最近の税務争訟シリーズの最新版。長年国税内部で税務訴訟に携わってきた著者の経験に基づき、注目すべき最近の判決及び裁決を選りすぐり、<争点><ポイント><判決要旨>の形式に基づいて裁断機関の法的着眼点を紹介した一冊。今版では、計61事例を収録。また、既刊の判例を「総目次」「判示事項等索引」として巻末に掲載しています。
主要目次
第1 通則関係1 納税申告と錯誤
(1) 錯誤に陥っていたという事情は更正の請求によらないで過誤の是正が認められるべき特段の事情に当たらないとした事例
2 更正の請求
(2) 他の相続人に対する更正処分の対象とされた債券の一部は遺産に当たらないとして処分を取り消した判決の確定を理由とする更正の請求又は不当利得返還請求の当否
(3) 相続財産(株式)について売買予約が存在していたことが別訴判決により確定したことを理由とする更正の請求には理由がないとした事例
3 過少申告加算税
(4) 生命保険会社からの回答を誤信して、生命保険契約の未経過保険料及び契約者配当金を含めないで過少申告したことには「正当な理由」がないとした事例(生命保険契約に関する権利の評価)
(5) 匿名組合契約に基づき分配を受けた損失を不動産所得に係る損失として申告したことには、通則法65条4項にいう「正当な理由」があるとした事例
(6) 米国LPSが行う中古集合住宅賃貸事業から生じた損失を損益通算の対象として申告したことには、「正当な理由」(通則法65条4項)がないとした事例
4 重加算税
(7) 相続財産(共済契約に係る権利等)の存在を申告書の作成を依頼した税理士に告げなかったことをもって重加算税の賦課要件を満たすとはいえないとした事例
(8) 不動産所得の金額を除外した過少申告と重加算税の賦課(過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動)
(9) 法定申告期限経過後にされた過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動も重加算税の賦課要件を満たすとした事例
5 国家賠償請求訴訟
(10) 差押処分の違法、無効を理由とする国家賠償請求及び不当利得返還請求には、理由がないとした事例
(11) 老齢厚生年金は所得税法35条1項の適用上、「公的年金等」に該当するとした課税処分の違法を理由とする国家賠償請求には、理由がないとした事例
(12) 一定金額を納付すれば残余の滞納国税を免除する旨の合意に反して差押がされたことを理由とする国家賠償請求には理由がないとした事例
第2 所得税関係
1 所得等の帰属者
(13) 原告が人格のない社団等に当たると主張する団体の名称で行われた活動に係る所得は原告の事業所得に当たり、重加算税の賦課が適法とされた事例
(14) 納税者が受託銀行を介して投資した米国デラウェア州所在のLPSが行った不動産賃貸事業により生じた損失は納税者に帰属しないから不動産所得に該当せず、それを損益通算することはできないとした事例―その一
(15) 納税者が受託銀行を介して投資した米国デラウェア州所在のLPSが行った不動産賃貸事業により生じた損失は納税者に帰属しないから不動産所得に該当せず、それを損益通算することはできないとした事例―その二
2 所得区分
(16) 親会社から付与された同社の株式又は1株相当の金銭を取得できる権利(ユニット)に係る経済的利益の所得区分(退職所得・給与所得)と収入すべき時期
(17) 生命保険契約の家族収入特約に基づく年金支給開始後、年金支払に代えて一時金として支払を受けた金員の所得区分
3 課税時期
(18) 債務整理事件に関する事務の弁護士報酬(着手金)の収入すべき時期はその受任時である(委任事務の終了時ではない)とした事例
(19) 株式報酬制度により付与されたストック・ユニット(株式の支払を求める権利)に基づく譲渡制限付株式の取得に係る給与等の収入すべき日は、その転換日であるとした事例
4 収入金額
(20) 株式報酬制度に基づき付与を受けたストック・ユニットに係る経済的利益について、取得株式のニューヨーク証券取引所の終値により算定するのが相当であるとした事例
5 譲渡所得課税
(21) 預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡が譲渡所得の基因となる資産の譲渡には該当しないとされた事例
6 必要経費
(22) 貸付業務用の不動産を購入し、売主に支払った未経過の固定資産税等は購入代価を構成し、必要経費に算入することはできないとした事例
(23) 広告掲載者を納税者とする広告宣伝は納税者が社員である司法書士法人の業務に関するものであるため、その支出を納税者の必要経費に算入できないとした事例
(24) 税理士業等を営む者の支払賃借料等のうち業務提携をした社会保険労務士の使用部分に係るものが必要経費に当たるとされた事例
(25) 賃貸業務に供されていた減価償却資産を相続し、同業務の用に供した場合、簡便法により減価償却費を計算することはできないとした事例
(26) 不動産賃貸業を営む者が共有する建物等の減価償却費等の必要経費を利用指数(日数及び利用面積を基にしたもの)により算定した事例
7 平均課税
(27) サンゴ漁に係る所得は平均課税の対象となる変動所得に当たるとした事例
8 源泉徴収義務
(28) 講師による講義等の業務を行った者及び家庭教師による個人指導の業務を行った者が支給を受けた対価は給与所得に当たるとした事例
(29) 宗教法人の副住職又は代表役員兼住職の地位にあった者が布施、法要塔婆料、護持会費から取得した金員は宗教法人からの給与等に該当し、重加算税賦課は適法であるとした事例
(30) 内国法人が外国法人に支払う海洋掘削作業に供する「リグ」の賃借料は「船舶の貸付けによる対価」に当たり、源泉徴収を要するとされた事例
第3 法人税関係
1 申告納税義務
(31) バミューダ諸島の法律に基づいて組成された事業体が法人にも、人格のない社団にも当たらないとして、法人税に係る決定処分等が取り消された事例
2 収益事業
(32) マンション管理組合法人が支出した収益事業と収益事業以外の事業に共通する経費の収益事業への配賦は、個々の費用の性質及び内容に応じた合理的基準によるべきであるとした事例
3 損金の額と計上時期
(33) 診療所用建物の賃貸借契約と中途解約不能要件(法人税法64条の2第3項1号前段)の充足(青色更正の理由附記の適否)
(34) 繰延消費税額等の損金経理と各事業年度の損金算入額(損金経理が要件とされている趣旨)
(35) 貸付金の貸倒れが客観的に明らかであった事業年度の後の事業年度にその損失を損金の額に算入することはできないとした事例
(36) 使途の確認ができず、業務との関連性の有無が明らかではない商品券購入費用と損金算入―その一
(37) 商品券の具体的な使途が明らかでないため、その購入費用は使途不明金であり、損金の額に算入することはできないとした事例―その二
4 寄附金
(38) 上場株式の相対取引における適正価額は取引日の終値に株式の数を乗じた金額とするのが相当であり、対価の額との差額は寄附金又は受贈益に当たるとした事例
(39) グループ会社に対する株式の譲渡の対価の額と譲渡の時における価額との差額が「寄附金の額」に当たるとした事例
(40) 株式消却による払戻額と消却株式の時価との差額は払戻限度超過額を含め、損金の額に算入することができない「寄附金」に該当するとした事例
5 同族会社等の行為又は計算の否認
(41) 関係会社間の株式譲渡により生じた損失の損金算入を法人税法132条1項を適用して否認した更正処分が取り消された事例
第4 消費税関係
1 納税義務者と免税
(42) 旅行業等を目的とする原告会社が海外旅行会社に対してした役務の提供は輸出免税取引に該当しないとした事例
2 課税仕入れと仕入税額控除
(43) 土地及び建物の各売買代金額が区分されていない売買契約と課税仕入れに係る支払対価の額(建物価額)の算定
第5 贈与税・相続税関係
1 財産評価
(44) 位置指定道路であるか否かにより評価割合を異にする評価基準を設けていない評価通達24(私道供用地の評価)の合理性
(45) 整形地に区分できる不整形地の評価において、整形地に区分した上で評価通達15から18を適用することはできないとした事例
(46) 取引相場のない株式の評価方法(評価通達189(3)、189―4及び185)の合理性等(土地保有特定会社の該否)
2 相続税額の計算
(47) 相続税の申告期限から3年を経過する日までの間に遺産が分割されなかったことについて「やむを得ない事情」がないとされた事例
3 納税申告
(48) 叔父の死亡年月日等が記載された訴状の送達を死因受贈者から受けた納税者(甥)の相続税の申告期限(「相続の開始があったことを知った日」)
第6 登録免許税関係
1 誤納還付請求
(49) 固定資産課税台帳の登録価格には取得日前に生じた著しい損耗が反映されていないとして、還付通知をすべき理由がない旨の通知処分が取り消された事例
第7 徴収関係
1 譲渡担保
(50) 滞納者から譲渡担保を原因として所有権移転登記を受けた土地は徴収法24条1項の規定する譲渡担保財産に該当するとした事例(債務の履行遅滞と譲渡担保権及び目的不動産の所有権の帰趨)
2 第二次納税義務
(51) 滞納者が行った所有マンションの譲渡は徴収法39条にいう「著しく低い額の対価による譲渡」に当たらないとした事例
3 差押
(52) 金銭差押処分の法的効果とその取消訴訟の適否(金銭の所有者の認定)
(53) 差し押さえた各売掛債権に係る供託金還付請求権の一部は国に帰属するが、残余は帰属しないとした事例
4 取立
(54) 差し押さえた敷金返還請求権に基づく敷金の取立請求には理由がないとした事例(賃借人の変更と原状回復義務の免除)
(55) 滞納者の過払金返還請求権を差し押さえた国(差押債権者)の取立請求には、理由があるとした事例(利息制限法超過利息に対する法人税課税の当否)
(56) 滞納者が行った小切手の交付は贈与ではなく、貸付けであるとして、貸付債権の取立請求が認容された事例(金銭消費貸借の弁済期の有無の認定と弁論主義の適用)
5 公売
(57) 見積価額の決定の違法を理由とする最高価申込者の決定処分の取消請求には理由がないとした事例(売却決定後の「回復すべき法律上の利益」の有無、最高価申込者決定処分の取消判決の拘束力、徴収法108条1項3号の適用等)
6 充当
(58) 第三者納付に係る金員を滞納国税に充当したことに職務上の注意義務違反があるとは認められないとした事例
第8 不服申立・訴訟関係
1 不服申立の利益
(59) 換価代金等が交付された後においても、配当処分の取消を求める不服申立の利益が認められるとした事例
2 立証責任
(60) 古物営業者が除外した金製品売上金額に対応する売上原価の額の主張・立証責任の分配
3 訴訟費用
(61) 国側がした控訴審の係属中における減額更正処分と訴えの利益及び訴訟費用の負担
総目次
判示事項等索引