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名義財産をめぐる税務(二訂版)

¥2,525通常価格:¥2970

出版社
大蔵財務協会
判型
A5判 / 412ページ
ISBNコード
978-4-7547-3203-5
発刊日
2024/3/6

名義財産をめぐる税務(二訂版)

通常価格:¥2970

著者
渡邉定義 編著 / 田作有司郎・中西徹 共著

概要

税務調査等課税実務において、「財産の帰属」をめぐる問題は最も大きな論点・争点の一つであり、中でも、名義財産や真実の帰属所得をめぐる相談や争い等の問題は実務家にとって日常的に遭遇するケースも多く、最も悩ましいテーマの一つである。本書では、主に相続税・贈与税、所得税、法人税と各税目別に、名義財産についての基本的事項を解説し、日常実務上で抱きがちな問題点をQ&A形式で解説。また、訴訟や不服審査で名義・帰属に関して問題となった主な裁判例・裁決例を題材に、事例から実務に参考となる事項を抽出し、納税者有利の裁判例・裁決例か否かの結論から、その概要を検証・分析して判断基準や判断要素のチェックポイントを整理・解説する。多忙で時間がない方にも短時間で要点が簡潔明瞭に掴むことができ、辞書代わりとしても利用可能な解説書。今版では新たな凡例等を追加すると共に、改正整備された重加算税の通達の整理と重要判決等について新たな項目として大幅に追加。

主要目次

第1編 総説
(1)名義預金・名義財産
・参考判決
・参考裁決
(2)名義預金の具体的判断要素(チェック要素)
(3)名義預金と贈与
(4)名義財産の帰属判定の際の証拠資料
・納税者の主張(相続財産に含まれない旨)が認められるパターン
・納税者の主張が認められない(失敗例)パターン
・名義預金(名義財産)のフローチャート
(5)名義預金の相続財産計上漏れと重加算税の賦課
  1 重加算税の法的性質
  2 重加算税の賦課要件(国税通則法第68条)
  3 重加算税が賦課される場合とは
  4 重加算税が賦課される対象者
(6)重加算税関係・重要判決等
  1 相続税・贈与税
  2 所得税
  3 法人税
  4 消費税

第2編 名義財産等をめぐるQ&A

(1)相続税・贈与税
  Q1  名義預金・名義株とはどのようなことをいうのですか
  Q2  名義預金の態様にはどのようなものがありますか
  Q3  名義預金の出捐者が特定できない場合、どのようなことが帰属者の判定に重要でしょうか
  Q4  財産の管理・運用とはどのようなことをいうのでしょうか
  Q5  拠出可能性とはどのようなことをいうのでしょうか
  Q6  被相続人との関係性(いわゆる内部関係)とはどのようなことでしょうか
  Q7  いわゆる「へそくり」は名義預金とされますか
  Q8  贈与契約の成立とはどのような状態をいうのでしょうか
  Q9  税務調査の際には、名義預金に関してどのような質問を受けますか
  Q10 調査や訴訟等で「名義預金」が争われた場合、どのように判断されるのでしょうか
  Q11 相続税において、名義預金を申告しなかった場合、重加算税を賦課されるのは、どのようなケースでしょうか
  Q12 相続税において、納税者以外の者に隠蔽又は仮装行為があった場合にも重加算税が賦課されますか
  Q13 名義預金と贈与の関係について教えてください。
  Q13 特に、相続税申告や税務調査が行われた場合に、生前贈与を主張したいのですが、どのような点に注意をすればよいのでしょうか
  Q14 名義預金が存在する場合、相続税の申告に当たり、注意すべき点は何でしょうか
  Q15 相続税調査の際に自分の話した内容を書類にした上、署名押印を求めてくることがあると聞きましたが、本当でしょうか
  Q16 親族名義の株式(名義株)があるのですが、これらの株式は相続税の申告の対象となるのでしょうか
  Q17 名義財産の財産種類別にそれぞれ留意する点があれば教えてください
  Q18 令和5年度税制改正を受けて名義財産について何か変わることがありますか
(2)所得税
  Q1  所得税において、名義預金や名義財産等の争いに類する事例にはどのようなものがありますか
  Q2  事業所得等の実質経営者・実質帰属者の判断要素としては、どのような点が重要になりますか
  Q3  源泉徴収義務者が誰であるかの判断について重要となる判断要素は、どのようなものでしょうか
  Q4  納税以外の包括委任を受けた者が有価証券の架空名義取引を行った場合などにおいて、納税者本人に重加算税が賦課されるのは、どのようなケースでしょうか
(3)法人税
  Q1  法人税において、名義預金や名義財産等が、法人に帰属認定された事例にはどのようなものがありますか
  Q2  法人の実質経営者・実質帰属者の判断要素としては、どのような点が重要になりますか
  Q3  役員報酬の振込先名義預金について、実質の帰属者はどのように判断されるのでしょうか
  Q4  外注加工費の支払先名義預金、架空名義預金について、実質の帰属者はどのように判断されるのでしょうか
  Q5  法人税において、重加算税が賦課されるのは、どのようなケースでしょうか

第3編 事例(裁判例・裁決例)から読み解く名義財産等をめぐる税務のポイント

(1)相続税・贈与税
  1 所有権の帰属について係争中の土地の帰属
  2 先死した子供名義の土地の帰属
  3 法人の簿外資産の土地の帰属
  4 被相続人名義の土地に係る贈与事実の有無(1)
  5 被相続人名義の土地に係る贈与事実の有無(2)
  6 被相続人名義の不動産に係る真の出捐者は誰か
  7 生前に作成された贈与契約書(公正証書)に係る不動産の帰属(1)
  8 生前に作成された贈与契約書(公正証書)に係る不動産の帰属(2)
  9 株式売却代金の未収金の帰属
  10 実在又は架空名義の株式の帰属
   被相続人名義株式の実質所有者の判定
   死因贈与により取得されたとした株式
   各名義人から一任勘定による委託を受けていた株式口座の帰属
   生前に親族名義等に名義変更された株式の帰属
   主宰法人に係る妻名義の株式の帰属
   相続人の委託に基づく株式取引
   相続人が配当所得として申告していた非上場株式の帰属
   証券会社の口座から現物出庫した割引国債の帰属
   無記名債券の帰属(1)
   無記名債券の帰属(2)
   被相続人から海外送金された金員は贈与
   妻が被相続人の預金口座から引き出した金員は贈与
   被相続人名義の預金口座から引き出された多額の出金
   被相続人名義の預金口座から相続開始10日前後に引き出された金員
   被相続人の子供名義の定期預金は贈与されたものではなく相続財産とされた事例
   家族名義預金の一部は相続財産に当たらないとされた事例
   前回相続に係る財産の帰属
   被相続人から委託を受けて管理・運用を行っていたとされた事例
   相続人が被相続人に預けた金員を原資として運用していたとする財産の帰属
   原処分庁から具体的な主張・立証がなく相続財産とは認められないとされた事例
   すべての判断要素が総合考慮された事例
   へそくり預金(1)
   へそくり預金(2)
   原資不明の財産の帰属
   収入比あん分による預金の帰属
   被相続人と配偶者との収入が混在して形成された資産の帰属
   生前贈与があったとされた預金の帰属
   被相続人と相続人間での借入を認定した上で帰属を判定
   生前贈与がなかったとされた預金の帰属
   相続人名義貯金の原資は小遣いではなく被相続人の土地譲渡代金とされた事例
   相続人名義の貸金庫で保管していた家族名義預金の帰属
   預金設定時期の相続人の収入等により判断
   生前贈与もなく出捐者でなければ名義預金とされた事例
   書面によらない贈与に係る預金の帰属(1)
   書面によらない贈与に係る預金の帰属(2)
   妻が管理・運用し、利息を得ていた預金の帰属(1)
   妻が管理・運用し、利息を得ていた預金の帰属(2)
   未成年者の母が管理していた預金の帰属
   貸金庫内に保管されていた架空名義預金の帰属
   被相続人の承諾を得た上での預金の解約は贈与
   使用印鑑の使用状況に着目して預金の帰属を判断
   贈与税の非課税範囲内で設定された家族名義預金の帰属
   預金原資の出捐者が不明な場合の預金の帰属
   相続人が契約者となっている生命保険の帰属
   共済契約の実質契約者の判断
   請求人の夫名義の預金口座から請求人名義の証券口座に金員が入金されたことは、相続税法第9条に規定する対価を支払わないで利益を受けた場合に該当しないとした事例
   ジョイント・テナンシーに係る不動産の帰属
   ・ 納税者勝訴の場合のポイント
   ・ 納税者敗訴の場合のポイント
(2)所得税
  1 有価証券取引における包括的委託の場合の帰属
  2 仮名預金における課税庁の主張が排斥された事例
  3 複数の書店における実質経営者の判断基準
  4 家族名義の現物株式の帰属者の判断基準
  5 他人名義による株式取引の実質帰属者
  6 妻等の名義口座の実質帰属者
  7 家族名義の株式取引の実質帰属者(1)
  8 家族名義の株式取引の実質帰属者(2)
  9 家族名義の株式取引の実質帰属者(3)
  10 事業所得の実質帰属者
   事業の実質的帰属者は請求人ではないとされた事例
   貸金業者登録名義と異なる実質帰属者の判断
   家族名義の株式取引の実質帰属者(4)
   株式の譲渡所得が名義人に帰属するとされた事例
   風営法上の届出人でない請求人が営業主体であるとされた事例
   事業主の判断基準
   事業所得の帰属者の判定基準
   他人名義による投資システムからの収益の帰属
   居酒屋やキャバクラによる事業所得の帰属
   キャバクラによる事業所得の帰属
   源泉徴収義務者の判断基準
   飲食店の事業所得が請求人に帰属しないとされた事例
   家族名義を用いた不動産所得を除外
   他人名義の口座は請求人の支配・管理にあるとされた事例
   従業員名義での経営の帰属
   団体名を用いて得た収益の帰属
   ・ 納税者勝訴の場合のポイント
   ・ 納税者敗訴の場合のポイント
(3)法人税
  1 簿外収入の帰属と現金支払金額の使途
  2 仮装経理による役員報酬
  3 決算賞与及び従業員名義簿外定期預金
  4 青色申告承認取消し・架空役員報酬の入金口座の帰属
  5 手形の割引に係る受取利息の帰属
  6 架空外注加工費の計上及び支払先口座の帰属
  7 従業員賞与の支払の事実と名義口座及び債務確定時期
  8 保険金を原資とする郵便貯金の帰属
  9 架空名義預金の帰属
  10 架空名義預金の帰属
   ・ 納税者勝訴の場合のポイント
   ・ 納税者敗訴の場合のポイント

第4編 参考資料

(1)法令等
  1 所得税法(抄)
  2 法人税法(抄)
  3 国税通則法(抄)
  4 相続税及び贈与税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
  5 申告所得税及び復興特別所得税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
  6 法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)
  7 相続税・贈与税の各種便利データ
   (1) 相続税の基礎控除の変遷
   (2) 贈与税の基礎控除の変遷
   (3) 贈与税(暦年課税)の税率構造の推移
   (4) 相続税・贈与税の速算表
   (5) 利子・配当・株式譲渡益課税の沿革
(2)本書収載裁判例・裁決例 TAINSコード一覧

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